相続税申告は一生に何度もあることではありません。どのような視点で税理士を選んだらよいのか悩まれる方も多いのではないでしょうか。顧問税理士がいる場合にも、安易に相続税申告を依頼してはいけません。なぜなら、税理士にも専門分野があるからです。
ここでは、相続税に強い税理士の選び方についてご説明します。
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① 相続税申告の経験豊富な税理士はごく一部
国税庁が公表している相続税申告情報では、平成30年中、相続税の課税対象となった人は約11万6千人です。所得税の確定申告は、申告者数が2,200万人、法人税申告の申告数は、約293万件です。それと比較すると、圧倒的に申告数が少ないのが相続税なのです。
全国の税理士登録者数は約7万8千人(令和2年6月末時点)であり、約11万6千人の課税対象者を単純に割り当てると約1.48人、税理士1.5人に対して年間1人程度ということになります。
相続税を専門としている税理士などは年に何十回も申告を行っている一方で、1件も行わない税理士もいるのです。
相続税の経験値は税理士によって全く異なり、経験豊富といえる税理士はごく一部であるといえます。
② 相続税に強い税理士選び方のポイント
依頼する税理士に相続税申告の実績がどれだけあるかは重要となります。土地の評価や非上場会社の株式の評価など相続税の節税対策が可能なのか、また、税務調査への対応力があるのかは、経験値によって異なります。
・ 財産評価に長けている税理士であること
不動産や非上場会社の株式など「財産評価」が難しい財産では、評価の仕方次第で大きく財産額に差が出ます。同じ財産であっても、税理士によって評価後の財産額が異なるため、相続税額も大きく変わるのです。
相続税は専門性の高い分野な為、毎年のように変わる相続税法を網羅し、依頼者のために可能な限り、節税方法を検討できる財産評価に強い税理士に依頼するのが一番です。
・ 二次相続を踏まえた提案ができること
相続税に強い税理士の場合、二次相続を踏まえた提案が可能になります。
父又は母のいずれかが先になくなった場合の相続を一次相続といい、その後、遺された父又は母が亡くなった場合の相続を二次相続といいます。
相続税は、この一次相続、二次相続、双方の相続税を抑えられるように、一次相続の遺産分割や二次相続発生前の相続対策を考えなければなりません。
相続税の専門家として二次相続を踏まえた提案をできるかどうかというのも大きなポイントになります。
・ 書類添付制度を適用し、税務調査への対応能力も高いこと
相続税の税務調査は、相続財産の金額に関わらず行われます。相続税申告のうち4件に1件は税務調査に移行しています。できれば税務調査は避けたいと思われるのではないでしょうか。
税理士が、自分が作成した申告書に保証書を発行するような制度があります。これを書類添付制度といいます。書面添付制度のメリットは、税務調査が軽減されること、税務調査に発展しなかった場合は加算税がかからないことがあげられます。
書類添付制度を適用した場合の相続税申告の税務調査率は2.7%です。しかし、財務省の令和元事務年度国税庁実績評価書によると、税理士が関与した申告件数のうち、書面添付制度が利用されていた割合は21.5%となっています。
書面添付制度は、相続税申告数のうち2割ほどしか利用されていません。
依頼者にとっては大変魅力的な制度ですが、税理士にとっては、リスクの高い制度となっており、専門性の要求される相続税申告において、書面添付制度を適用できる税理士は相続税に強い税理士であるといえます。
当事務所では、相続税に強い税理士が、これまでの実績とノウハウを活かして、お客様の相続税申告のお手伝いをさせて頂きます。専門性の高い分野のため、同業の税理士からの依頼や相談を受けることもあります。高品質なサービスの提供を目指しておりますので、書面添付制度も利用しております。まずはお気軽にご相談ください。