このページでは“遺産分割協議”って聞いたことあるけどよく分からないと感じる方や、“遺産分割協議”を行う程の重要性があるのか、と思っている方に簡単な説明と遺産分割協議の必要なタイミングを5つご紹介したいと思います。
このページの目次
1.遺産分割協議とは
遺産の分け方について、誰がどのような割合で遺産を引き継ぐのか、遺言がない場合には、民法に相続分の割合が規定されています。
しかし、遺言による指定がある場合には、相続人全員で合意すれば、遺言の内容や法定相続分とは異なる割合で遺産を分けることができます。
遺産の分け方についての話し合いを相続人の全員で話し合いをすることを、「遺産分割協議」といいます。
ですが、相続人の全員が合意しなければ無効になる為、行方不明の相続人を除外や、いわゆる隠し子が存在することを知らずにその子を含めずに行った遺産分割協議は無効となりますので注意が必要です。
2. 遺産分割協議の必要なタイミング
以下に“遺産分割協議を行っていて良かった!”時のタイミングをご紹介します。
①口座の凍結のタイミング
相続した預金を解約して払い戻す場合や、預金口座の名義変更を行うためには、銀行で相続の手続きを行わなければなりません。
その際に、相続人の誰かが、お金を引き出して持ち逃げしてしまう事態を防ぐために、遺産分割協議の内容が決定するまでは口座から現金を下ろすことはできなくなります。
なので、実際に相続した人であることを証明し、他の相続人が反対していないことを明らかにするため書類が必要になります。
②自動車の名義変更のタイミング
自動車は遺産分割協議の対象となる財産です。
財産は半々に分けると書いてあるにもかかわらず、車は勝手に使っていると疑念を持つことで他の相続人同士で大きな不信感を抱く可能性もあります。
その際に名義変更をする場合に必要になります。
③不動産の相続登記をするタイミング
不動産の相続登記手続きでは、多くの場合で遺産分割協議書が必要になります。
相続人の誰かが単独で登記することができます、手続きが簡単で良いことにも思えますが、手続きをした人にしか権利証(登記識別情報通知)が発行されず、後でトラブルになる恐れがあります。
④相続税の申告をするタイミング
相続税の申告手続でも、多くの場合で遺産分割協議書が必要になります。
相続税は相続財産を残して亡くなった方が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告を行うことになっています。
その際に、相続する人同士で話がまとまらない、相続する人が行方不明など、どんな事情があろうが税務署は待ってはくれない為、遺産分割がまとまらなかったとしても相続税申告をしなければなりません。
その場合、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などを適用する場合には、税務上、有利になる税制が使えなくなる為、税金が高くなります。
揉めずに、円滑に申告手続きを行う際には、前もって遺産分割協議書を作成することが必要となります。
⑤相続人どうしのトラブルが予想される場合
遺産をめぐる話し合いの内容を記録する意味でも重要な書面です。相続手続きで特に必要ない場合でも、相続人どうしのトラブルが予想される場合は遺産分割協議書の作成をおすすめします。
3.最後に
相続人が1人だけの場合、遺言書のとおりに遺産分割する場合や遺産が現金・預金だけの場合は必要ないと感じるかもしれません。
ですが思わぬトラブルの対策の為に相続の対象者の確認を行う“遺産分割協議”について相談をしたり、他にもトラブルが起きることがないか確認を行うこともできます。
知らないことによって損することもありますので、税金のプロ税理士で実績のある当事務所にご相談下さい。
個々にあった提案や、その時に合った分析を行います。